この戦いに紛れ込んだ僕達は、


  忠実にあのお方の言いつけを守り、あのお方に従っている。


  僕達は役者だ。


  この狂った舞台の上の。


  だからこそ。


  僕達は生まれ変わるんだ。


  全てを破壊しつくしてゆく、狂戦士に・・・!









  
  第九話 崩壊










ピチュー「みんな・・・」
ドンキー「・・・・起きてたのか」


ドンキーが扉を開けると、先に進ませた三人と、目を覚ましたピチューがそこに居た。
七人全員が合流し、重苦しい空気が辺りに流れる。
無理矢理にでも空気をかえようとしたのか、クッパがわざとらしく明るい声を上げた。


クッパ「リンクの持っていたハートの器を見つけてきた、
    傷の深い奴はこれを使うのだ!ガハハハハ!・・・ハハ・・・」


しかし、クッパの努力も空しく、彼等の沈黙が破られる事は無かった。










場所は変わって無数の星が浮かぶ闇の中。
漆黒の闇とは対照的な真っ白い手袋がそこに存在していた。


「リンクとピカチュウが・・・敗北した、だと・・・・?
 ッチ、全く使えない奴等だ・・・。だが、心配は要らない・・・何故なら・・・くふふふ・・・」
「僕は有能だから心配ないってことかな?」


その存在はブツブツと独り言を呟いていた。
と、そこに何者かが姿を現しそう言い放った。


「・・・カービィか・・・そう言うわけでは無いのだが・・・」
カービィ「フフ、遠慮しなくても大丈夫だって♪」


巨大な手袋に対したった20cm位の大きさしかない桃色の球体が軽く言う。
対して手袋が苦悩したように小さく唸るが、次の言葉へ繋げた。


「・・・・?・・・何がだ?・・・・・・・まぁ良い。今度はお前の・・・
 いや、お前達の出番だ・・・・・さっさと行け、奴等は徐々にこの場所へ近づきつつある。
 自覚がないという事が唯一の救いでもあるが・・・・自覚が無いという事が不安な要素となる、このままでは・・・」
カービィ「はいはい、おっけぃおっけぃ♪
     で、さ。・・・・・・僕の他に行くのって誰だっけ?」
「・・・・・・・・・・・・。」


とぼけた表情で言い放つカービィを前に、再び苦悩したように手袋が唸る。
異型な姿なのに、どこか人間らしい雰囲気を漂わせる彼の正体は一体・・・?













場所は戻り・・・元、競技場。その部屋は、様々な装置が置いてあった。
しかし、勿論全て壊れており、所々漏電している。
中にはわずかに生きている機能もあったが、奇妙な音を出している所からして役に立ちそうに無い。


ポポ「・・・・・・・・」
ドンキー「・・・・・・・・・」
ピチュー「・・・・・」


またしても、仲間を、身内を殺めてしまった。凄まじい罪悪感を背負い、彼等が表情を曇らせ歩いていく。
部屋に設置されている計器類には様々な種類があった。壁にあるモニター、床に転がるマイク。
その設備からして、ここは実況室だったようだ。そして壁にはいくつもの巨大なモニターが。


ナナ「あれ・・・・あの画面、何か映してる・・・・?」
ルイージ「え・・・・?」


不意に、ナナが巨大な画面の一つを指してそう言った。他の者がそれを見て驚きの声を上げる。
ほとんどの画面は砕けていたり枠ごと床に落ちていたりしているが、ナナの言った通り、
ひび割れたりしてはいるが一つだけ画面に映像が映されている・・・どうやら乱闘ステージの一つ、ポケモンスタジアムを映しているようだ。


クッパ「あそこも・・・酷くやられているな・・・」


画面を見つめていたクッパが重々しく呟いた。
ポケモンスタジアムは粉々に砕かれ、原形を保っていない状態だったのだ。


ピチュー「・・・・これって・・・他のステージに切り替えること出来るのかな・・・」
ファルコ「何でんな事する必要があるんだよ」
ピチュー「・・・もしかしたら、生き残ったお客さん達が避難してるかもしれないから・・・」
ルイージ「か、可能性は低いけど・・・・まあ、やってみる価値は・・・・」


そう言いつつ、機械に強いルイージが画面の下のキーボードを叩き始める・・・
そして、雑音が混じったがパソコンの起動音に似たような音を立てながら画面が切り替わった。
・・・・・映された場所は古の王国だった。レンガブロックや?ブロックは砕かれても再生するが、
酷いのは床・・・・無数のブロックが浮く場所の下には、巨大な穴が開いている。


ルイージ「っ・・・・・・」
ドンキー「コ、コンゴジャングル・・・コンゴジャングルはどうなっている?!
     あそこはウチの爺さんが小屋から俺達のバトルを観戦している、無事かどうか───」


・・・・言い終わらない内にドンキーが絶句した。
ルイージが言われるままコンゴジャングルに映し変えたのだが・・・・
・・・・・ステージは、いやジャングルそのものが跡形も無く消え去った場所が映されていたのだ・・・!


ドンキー「な・・・・・・・!!?」
ルイージ「・・・・・うっ・・・・何で・・・・こんな・・・・・」
ファルコ「んの手袋野郎・・・・・・!!貸せ、ルイージ!!」


怒りに燃えたファルコがルイージを押し退け、キーボードを叩いた。
ファルコが切り替えた場所は・・・・グレートフォックス。
どこから映像が送られてくるのかは謎だが、どうやら常に飛行している戦艦は無事だったようだ・・・・
つまり、あの手袋は闘技場の設備の一つ、ステージへのワープ装置を使わず、直接他のステージを荒らして回ったという事だ。


ファルコ「他は・・・どうなっている!?」


ファルコがまた画面を切り替えた。次に映された場所は、オネット・・・・・既に、ここは廃墟と化していた。
道行く車は横転し、車運転の役者である人間が車の下敷きになっている・・・
次は、ピーチ城。マグナムキラーでもビクともしなかった城が目も当てられないような状況へと化している。
その次はレインボークルーズ。アスレチックステージは壊され、
ぶつかって停止する場所をなくした船はループすることが出来ず、何処かの空へと消えていってしまっていた。


グリーングリーンズ。ウィスピーウッズは根の部分から切り落とされ、無残な大木がステージの上に横になって事切れている。
ポケモン亜空間、仮想世界は外部からの無理矢理な侵入によりポケモン達の流れが狂いだし、


フォーサイドではビルが火を噴き、墜落したUFOから煙が上がる。
ブリンスタ深部に生息するクレイドは小さなステージに寄りかかり、目を潰され、牙を砕かれ、腹に巨大な穴をあけられ息絶えている。


ミュートシティを走るマシンはあちこちでクラッシュ、足場も砕け、コースも破壊され。
アイシクルマウンテンは何が原因だろうか、大規模の雪崩がおき、とても登れたようなものではない。


ポポ「・・・・・・・・・。」
ナナ「・・・・ッ・・・・・」
ピチュー「酷い・・・・・・」
ルイージ「・・・・・・・。」
ファルコ「・・・・・・・」
クッパ「・・・・・・・」
ドンキー「くっそぉ・・・・!!」


いつしか全員が変わり果てたステージを映すモニターに釘付けにされていた。
憎しみ、怒り、憎悪があの手袋に対し、心の底から湧き上がってくるのが感じられる・・・


ドンキー「そ・・・・そうだ・・・終点・・・・あそこは広い、もしかしたら観客が・・・」
ファルコ「・・・異次元空間にあるステージだから・・・・
     ポケモン亜空間のように突き破られない限り、可能性はあるかもしれない・・・・な」
ルイージ「・・・・や、やってみる」


震える手でルイージがキーボードを叩いた。
そして、画面が終点に切り替わる──。


「そうは、させないよ」
「「「ッ!!?」」」


突如、そのモニターが電撃に蝕まれた。そして、画面は真っ暗になってしまう。
電撃を放った存在・・・・飛んできた青い光球の軌道を辿ると、実況室の別に入り口に行き着いた。


「どうだい?楽しんでくれたかな?元スマッシュブラザーズの皆様〜?」
「あはは、驚いてる驚いてる。・・・・その顔、今すぐにでも恐怖で塗り潰してあげたいよ!」
「やあ、皆・・・・久しぶりだね・・・・?いや・・・久しぶりでもないかな、失敬失敬」
ドンキー「おっ・・・お前等、は・・・・・!!」
ルイージ「か・・・カービィ・・・・!ネスに、マルスも!?」


いつの間にか部屋の入り口付近に立っていた三人・・・。
約20cmくらいの小さな桃色の球体、赤い足と短く丸い手を持つ──カービィ、
赤い帽子、黄色いリュック、青と黄色のボーダー服を着用した少年・・・ネス。
青い髪、青いマント、その中に隠す厚い鎧に鋭利な剣を持つ剣士、マルス・・・
それを見たファルコが、汗をたらしながら彼らに問うた。


ファルコ「口ぶりからして・・・・お前等も・・・・」
マルス「その通り。今や僕達スマッシュブラザーズはあのお方に忠誠を誓っている・・・
    そして・・・・君達、元スマッシュブラザーズは、僕達の敵だ・・・!」


マルスが声高に言い放つ言葉に、クッパが顔をしかめ叫び返した。


クッパ「あのお方・・・!?何の事なのだ!?まさか、あの手袋の事か!?」
ネス「手袋・・・・まあ、そうだね。とても、偉大な・・・・」
ポポ「なんでさ!?あいつは、僕達を、皆を襲ったんだよ!?」


ポポがネスの言葉に訴えた。
しかしカービィがへらへら笑いながらそれを制する。


カービィ「君達は逃げ出したから分からないだろうけど・・・・
     あの人はね、僕達に新しい人生と命をくれたんだ。
     最高の命。最高の人生。新しい世界で僕達は──。」
マルス「カービィ、しゃべりすぎだ」


ペラペラと喋り出したカービィに横槍を入れるマルス。
それに「ごっめーん♪」と緊迫感のかけらも無い言葉を吐き、頭を叩くカービィ。
一行の疑問が更に増え、ルイージが怯えながら呟き始める。


ルイージ「新しい命?新しい人生?新しい世界・・・?」
ピチュー「な・・・・なんの、こと?」
ネス「さあね・・・・?君達には、教えないよ。
   例え今から死んでゆく運命だとしてもね・・・冥土の土産には、高すぎる!!」


嘲る様な笑みを浮かべながら、ネスが木製のバットを振りかざした。

















続く




音楽提供:♪般若's MIDIの里♪ 





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