──誰だ。 死体が・・・・足りない? 生き延びたのか・・・? だが、どういうことだ。 新たに二人、死体が消えた・・・ ・・・この、超能力・・・ 何故、このような場面で役に立たないのだろうか・・・ 役立たずだ・・・私は・・・・ ある研究の、失敗作・・・それが、この役立たず・・・だ・・・。 第四話 紅く染まれ、何もかも フォックス「行くぞ・・・!」 ファルコ「・・・・・っ!」 クッパ「お前がその気なら、我輩達とて容赦はせんぞ・・・?」 フォックス「ふっ、そうだ・・・・それで、いい・・・!」 クッパの言葉に不敵な笑みを浮かべながらフォックスが両腕を握り締め、全身を震わせる・・・。 身構える三人を見据えた直後、勢い良くフォックスが地を蹴り、頭を向けて三人の元へと突進した。 更にフォックスの身体を火炎が包み込み、弾丸の如くフォックスは三人の内の一人──・・・ルイージへと特攻を仕掛ける! フォックス「ファイアアアァァァァッ!!!」 ルイージ「───!」 火炎をまとって相手に強烈な体当たりを喰らわせる技、ファイアフォックス。 炎の塊が通った所は、浅い水溜りは蒸発し、ボロボロの木製のフローリングは火が回り燃え上がる。 冷静な判断を下したのか、それとも臆したのか。ルイージが素早く脇へ跳んでフォックスの突撃をかわすと、 夢中で振り返り手の平を突き出して、突進の勢いが弱まりつつあるフォックスに緑色の炎を何発も投げつけた。 フォックス「リフレクターっ!」 ルイージ「そんなッ、跳ね返されたぁぁ・・・!?」 ファルコ「バカ、あんな遅い飛び道具じゃ跳ね返されて当然だろうが!」 フォックスの身体の周りに展開された青白い光がルイージの緑の炎を跳ね返す。 軌道の同じ炎を跳ね返され、後方から向かって来る炎にぶつかって相殺されてしまう。 最後に跳ね返された炎の塊は、後方から向かってくる物が無い為、そのまま術者であるルイージの元へ飛んでゆく。 速度の落ちたファイアボールを素早くファルコが光線銃で撃ち抜き、リフレクターを張ったままのフォックスの元へと走り出した。 ファルコ「ハッ!!」 フォックス「ッ!」 駆けながら床を蹴りフォックスへ飛び掛り、ファルコが渾身の蹴りを繰り出した。 対してフォックスは素早くリフレクターを解除し、身をひるがえして攻撃を避ける。 ファルコの足が風を裂き、空ぶったファルコがフォックスの背後で尻餅をついてしまった。 にやり、と笑みを浮かべたフォックスが、大きく隙を作ってしまったファルコに 容赦なく回し蹴りを喰らわして壁の近くまで吹っ飛ばした。 クッパ「ガァアアアァアア!!!」 ルイージ「でやああぁああ!!」 フォックス「ちッ・・・次から次へと・・・!」 叫びながら迫ってくる二人を見やり、憎らしげにフォックスが呟く。 次の瞬間、フォックスの姿が視界から消え失せ、更にルイージが悲鳴を上げながら吹っ飛ばされた。 慌ててクッパが辺りを見渡すと、背後に前傾になってこちらに背を向けているフォックスの姿が。 彼はフォックスイリュージョンでルイージに体当たりを喰らわせ、二人の後方へと移動したのだ。 クッパ「ッ・・・・スピニングシェル!!」 フォックス「ファイアフォックス!!」 無数の棘が生えた甲羅の中にこもり、急速回転しながら相手に突進する技─、スピニングシェルと、 先程もフォックスが使用した、身体に火炎を纏って相手に突進する技、ファイアフォックス。 互いにぶつかり合った二人の間で、凄まじい衝撃音が鳴り響く。 クッパは甲羅にこもったまま燃え盛りながら宙を舞い、フォックスは身体中に切り傷を作って弾き飛ばされた。 ドンキー「て、テメェ・・・今・・・なんて・・・ッ」 ロイ「聞こえないのか?仲間なんかじゃないって言ったんだよ!!」 ドンキー「・・・・・・ッ」 ロイの意見にドンキーが目を見開き、歯噛みする。 歪んだその言葉に言い返す言葉が出てこない。 ロイ「まあ、脳味噌の足りない馬鹿で無知なゴリラに分かるはずも無いかな。 この言葉の意味なんて」 ドンキー「んだとぉ・・・っ!!?」 ロイ「さて、血も上ってきたところでその頭を・・・」 困惑するドンキーを挑発しながら、ロイがゆっくりと剣を構えた。 構えられた剣は、徐々に赤みを帯びて、熱気が剣から放出され始める。 そして熱気は剣を纏う火炎となり、ロイの口が炎の奥で歪んだ笑みを見せた。 ロイ「ふふっ・・・叩き割ってやるよぉ!!!」 大声で叫ぶと、ロイは床を蹴って高く跳躍する。 その直後、封印の剣を、ドンキーの脳天目掛け振り下ろした・・・! ロイ「はああぁあぁぁああぁッ!!!」 ドンキー「うぐあああぁっ!!」 咄嗟に左腕でガードしたドンキーだったが、容赦なく剣はドンキーの腕を切り裂いた。 腕に突き刺さった剣を纏う炎が傷口に更なる痛みをもたらし、ドンキーが苦痛に表情を歪めながら悲鳴を上げた。 ドンキー「ッつぅ・・・!やろぉ・・・・よくもっ!!」 即座にもう片方の腕でロイの剣を左腕から引き抜こうと刃に手をかける。 しかし、ロイは微笑みながら、抵抗せずに─・・・いや。 ロイの剣を持つ腕に力が込められ、ドンキーの握り締めた剣から再び業火が吹き出した・・・! ドンキー「うぐぁぁあああッ、がぁあああぁぁあ!!!?」 ロイ「はははは!だっから脳味噌が足りないんだよっ!!」 炎に包まれたドンキーが悲鳴と共に仰向けに倒れこむ。 剣を引き抜いたロイが笑い声を上げながら倒れたドンキーに剣の切っ先を向けて言い放った。 ロイ「終わりだ・・・!」 アイスクライマー「「させないっ!」」 ロイ「・・・・ッ!?うぐぁああぁあッ!!?」 ドンキー「な・・・」 ロイ「ぐ、く・・・!くそぉっ、ガキどもがぁ!僕の、邪魔をしやがって・・・!」 とどめを刺そうとしたロイが鈍い音と共に水溜りを転げ、自分を殴りつけた二人を見やり声を荒げる。 すぐさまナナがドンキーの傍らへしゃがみ込み、安否の言葉をかける。ポポはそのままロイの元へ駆けて行き、ハンマーを構える。 ポポ「トルネードハンマー!!」 ロイ「っぐが!」 ハンマーを構えたまま、全身で回転してロイに襲い掛かる。 立ち上がった直後だったロイは、避ける事が出来ずにそれを腹部に受け、再び床へ倒れこんだ。 ピチュー「っはぁああ!!」 ロイ「──っ!?」 次の瞬間、ロイの身体を強力な電撃が蝕み、声にならない悲鳴が轟いた。 全身を痙攣させながら転がるロイが、憎々しげに電撃を放った犯人──ピチューを睨みつける。 フォックス「はぁっ、はぁっ、・・・ぐ、はぁあッ・・・」 ファルコ「・・・諦めろ、フォックス。 一体、あの後お前達に何があったのかは知らないが・・・ もう、『任務』とやらは遂行できそうに無いぜ?」 フォックス「ぐっ、くぅうッ・・・・チッ、くしょっ・・・ぉ」 クッパとフォックスの突進攻撃が相打ちになった、あの後。 ファルコとルイージが起き上がり、重傷を負ったフォックスを追い詰めてゆく。 フォックスがよろめきながら後退してゆくが、突如何かにつまづいてフォックスが仰向けに倒れた。 ロイ「っ!・・・フォックス・・・」 フォックス「ロイ・・・お前もか・・・」 フォックスがつまづいたのは、感電し倒れていたロイだった。 お互い動く事の出来ない状態。その二人を、息も絶え絶えになったメンバー達が取り囲む。 クッパ「・・・もう一度聞く・・・ お前達は何故」 フォックス「その言葉ッ・・・もう、聞き飽きたってんだよ!!」 ピチュー「っ!?」 クッパの問いの言葉をフォックスの叫び声が遮った。 その次の瞬間、ロイが封印の剣を天井に掲げ、掲げられた剣の切っ先から火炎がほとばしる。 一直線に放たれた炎は小屋の脆くなった天井を突き破り、一気に天井全体に火が回る。 ポポ「こっ、小屋が・・・崩れるッ!?」 ドンキー「みんな、逃げろーーッ!!」 ルイージ「うわあああぁぁっ!!!」 ロイ「一人でも・・・道連れにしてやる・・・」 小屋の天井の役割をしていた丸太の一本一本が、紅蓮の炎を纏って次々に落ちてゆく。 あっという間に火の海となった小屋の中、ふらりと立ち上がったロイが手近に居たピチューに掴みかかる。 必死にピチューは放電して、伸びてきた腕を弾いてその場から出口へと駆け出した。 他のメンバー達も焼け落ちてゆく小屋から脱出しようとピチュー同様、出口へ向かう。 その彼等を追う様に、フォックスのブラスターから発射されたと思われる、 無数の光線が飛来してきたが、がむしゃらに放たれた銃弾は誰にも命中する事は無かった。 やがて、力尽きたのか小屋から逃げ出した彼等を追って来るものはなくなった。 そして、小屋が完全に崩れ落ちる寸前に、確かに彼等の叫び声が聞こえた。 ロイ「僕達を退けた、でも君達はこの運命から逃れる事は出来ない・・・!」 フォックス「恐怖と痛みと絶望に・・・苦しみ、死んでゆく・・・その、運命の呪縛からはなぁッ・・・・!!」 次の瞬間、目の前の古小屋は大きな音をたてて崩れ去った──・・・。 「・・・フン。失敗か・・・使えない奴等だ」 真っ暗闇に浮かぶ巨大手袋と二つの影、その前に存在する映像。映像には崩れ落ちた小屋の様子が映されている。 それを確認するや否や、手袋が憎らしく呟いた。 おもむろに手袋が念じると映像は掻き消え、夜空に浮かぶ星のような光が照らす、二つの影に向き直る。 「まあいい・・・在庫はまだある。次は・・・貴様等の番だ。 リンク・・・・・・そして、ピカチュウ!!」 「・・・・・」 「・・・フフ」 続く 音楽提供:タクミドットネット 戻る