何でだろう? 僕等は、負けた。 でも、生きている。 いや・・・意識だけが生きているのかな。 何の為に僕等を生かす? 何んで身体だけを殺して意識だけを生かす? 答えは・・・闇に包まれたまま・・・ 第三話 豹変 ドンキー「何でお前等が居るんだよ・・・・?! ロイ・・・フォックス!!」 ロイ「ふふ・・・・奇襲は失敗したけど」 フォックス「任務は遂行する・・・。 お前達を抹殺するという任務を! 悪く思うなよ?『任務』なんだからな・・・・!!」 意地の悪い笑みを見せたフォックスがファルコ目掛けて突進、 咄嗟の動きにファルコが見切れるはずもなく──。 フォックス「おらぁああああああッ!!!」 ファルコ「ぐあぁあッ!!?」 ルイージ「ファルコ!!」 鈍い音と共にフォックスが素早くファルコを蹴り上げた。─サマーソルトキック。 ルイージがファルコの元へ駆け寄り安否の言葉をかけるが、その暇さえ与えず相手はブラスターを構え光線を放ってくる。 ルイージ「うっ、ぐぅっ・・・!」 倒れこんだファルコを守るようにルイージが立ちふさがり、無数の光線を受け止めた。 乱闘中は痛みはなかった光線が、今は体全体を走る強烈な痛みと化していた。 ロイ「喰らえっ・・・ブレイザー!」 ドンキー「ッが!?」 その一方で、ロイが剣を構え、 未だ目を丸くしたままのドンキーの懐に潜り込み、下から跳躍して、ドンキーの体を切り裂いた! 瞬時にドンキーが両腕で剣を防御、しかしその腕に生々しい切り傷が残ってしまう・・・・。 ピチュー「く・・・何で・・・何でさっ!? やめてよ、二人ともぉ!」 ピチューが姿勢を低くし、その頭を突き出したまま地面を蹴る。 ドンキーを切り上げた直後のロイは、それに反応するのが一瞬遅れる。 ロイ「うぐ・・・っ」 ピチューの強力な頭突きが、無防備なロイに直撃した。 腹に硬い頭で頭突きをかまされたロイは、一歩ニ歩と下がるが、 すぐに体勢を立て直し、その左腕をピチューに伸ばした。 ピチュー「うわ・・・っ?!」 言うまでもなく、ロイの左手がピチューの方耳を掴みあげる・・・ ギリギリと握る腕に力を込め、やや離れた場所に立つ青い防寒服の少年に視線を移す。 ロイ「ふふっ・・・何にせよ、君達も攻撃してくるんじゃないか。・・・はぁあっ!!」 ピチュー「う、わぁぁああ!!?」 掴んだままのピチューを見下しながら微笑むと、 そのままロイがピチューをポポ目掛けて投げつけた! ポポ「ピチューっ!」 ピチュー「わわっ・・・」 ポポがハンマーを持っていない方の腕でピチューをキャッチし、 直撃によるダメージを避けたものの、ロイは剣を構えなおし突進してくる。 ポポ「くっ・・・ナナ、お願い!」 ナナ「分かってるわよ!」 ピチューを抱えたままのポポは即座に武器を振るえない。 ドンキー達に一緒に運んでもらったハンマーを手に、傍らの少女が前に出る。 ナナ「てぇえい!!」 ロイ「ッ・・・!?」 彼女はあえてハンマーを振るうことはせずに、 片手に持つハンマーを向かってくるロイに投げつけた・・・! ロイ「うぐぅッ!!」 再び腹に攻撃がめり込み、一瞬ひるんだロイだったが、 ギラリと光る眼光をナナに突き刺すと、足元に落ちるハンマーを拾い上げる。 ロイ「お返し・・・だぁああっ!!」 ナナ「ッ!」 ポポ「なっ・・・!」 ポポがナナをかばおうとしたときには遅かった、投げつけられたハンマーはナナに直撃してしまったのだ。 愛用の武器と共に吹っ飛んだ赤い防寒服の少女は古小屋の壁に激突した。 ポポ「っ・・・ナナ・・・」 ピチュー「・・・・・・ッ」 ロイ「さぁ・・・次は・・・君達だぁッ!!」 ニヤリと目と口を吊り上げ、笑みを作り、叫ぶ剣士。 二人に突きつけた封印の剣からかすかに熱気が伝わってくる。 ──このままでは、やられる。 そう悟った二人は、力を振り絞ってそれぞれ別方向に駆け出した。 ロイ「小賢しいな・・・悪あがきはやめろ!」 憎々しげに叫ぶと、ロイはピチューが逃げた方向へ体の向きを変え、剣を再び構えた。 フォックス「らっ、だぁっ、おらっ、はあああああっ!!」 ファルコ「・・・ッ!」 クッパ「ぬぉおおおっ!!」 ルイージ「ひ、ひぇえ〜!」 フォックスによる拳と脚の嵐。危うく一発貰いそうになった三人だったが、 瞬時に、それも一斉にしゃがみこみ、何とか攻撃を避けきった。 小さく舌を鳴らしたフォックスが攻撃を中断すると、今度は左足を軸に、右足を思い切り回転させる。 ファルコ「うおっ・・・とぉ!!」 ルイージ「わわ・・・」 フォックスが放った回し蹴りをなんとか回避した二人。 攻撃を避けられた後の隙を突こうとし、鋭いツメを光らせ、クッパがフォックスに襲い掛かった。 クッパ「ガアアアアアッ!喰らうのだぁああ!!」 フォックス「喰らうかよ!フォックスイリュージョンッ!!」 クッパ「あがぁッ!」 前かがみとなったフォックスの瞬間移動。 強力な体当たりに吹っ飛ばされたクッパが宙を舞う。 フォックス「ッうぉぁらああああっ!!」 ファルコ「・・・ッち!」 更に後ろのファルコに蹴りを決めようとしたが、 ファルコは素早く跳躍してそれをかわす。 フォックス「へへ・・・なかなかしぶといじゃねぇか?」 ファルコ「少なくとも・・・・お前よりはなッ!!」 フォックス「ぐ・・・っ!?」 言い終わったときにはファルコの蹴りがフォックスに命中していた。 強烈な蹴りを腹部に喰らったフォックスが数歩後退する。 ルイージ「ファイアボール!」 フォックス「ぐッ!?・・・ぅぐぐっ・・・ぁあ・・・!」 よろけた所に緑色の炎の塊が数発、全てが同じ軌道を描いて直線状にフォックスの腹に向かう。 なすすべなく身体を焼かれ、膝から崩れたフォックスに、逆転するチャンスを掴む事は出来なかった。 攻撃から逃れられずもがいている間にも次々にファイアボールがフォックスを焼いてゆく。二発三発、四発、五発、・・・。 九発目を喰らった時、ついに彼は握っていた武器─ブラスターを地に落とすと、焼ける地べたに倒れこむ。 クッパ「・・・答えてもらうぞ、フォックス・・・何故こんな事を・・・」 フォックス「ッ・・・ふ・・・誰が、お前等なんかに・・・答えて、やるかっ、てんだ・・・ これは・・・任務、だ・・・。悪いが・・・口を、割る訳には、いか、ないな・・・!」 痛みを堪えながらフォックスが途切れ途切れに、しかし力強く言い放った。 直後、フォックスは身体中を巡る炎に構うことなく、ゆっくりと立ち上がる。 フォックス「行くぞ・・・・!」 ファルコ「・・・・・!!」 ロイ「覚悟するんだね・・・!」 ピチュー「う、うわああああーっ!!」 ポポ「ッ!ピチュー!」 ナナ「やめ・・・てっ!」 ついに小屋の壁に追い込まれてしまったピチュー。 殺される事に対しての恐怖が込められた悲鳴を聞きつけたポポが足を止めて振り返り、 ロイを止めようと来た道を走って戻る。いくらか痛みも収まったナナも同じだった。 が、走るポポの足元に突然ピチューが転がってきた。 掴まれて投げられたらしいピチューがふらりと立ち上がると共に、 笑みを浮かべたままのロイが三人の目の前に立ちはだかる。 ロイ「ふふ・・・はははっ!馬鹿な奴等だよ、自分から死にに来るなんてね! エクスプロージョン!!!」 ポポ「うわぁぁぁあああああ!!!」 ナナ「わああああああ!!!?」 ピチュー「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」 ロイの振り下ろした剣を中心に、凄まじい大爆発が起こる。 三人は、その衝撃に耐えられず、真っ暗な空に向かって吹っ飛ばされる。 それを見上げロイが嘲笑した、その時だった。 ドンキー「俺を・・・忘れるなよッ!!!」 ロイ「!?(後ろッ・・・だと!?)」 爆風を免れたドンキーがロイに拳を振るい、ロイの体を吹っ飛ばした。 水溜りの上を転がったロイが、血の混じった唾液を吐き出しながらドンキーを睨みつける。 ロイ「・・・今までどこに隠れていた?」 ドンキー「小屋の外で奇襲を狙っていた。お前等と同じ事だ」 ドンキーが指した壁には大きな穴があけられている。 どうやらピチュー達をロイが追いかけていた間に壁を破壊し、隙を窺っていた様だ。 ドンキー「ピチュー達に傷を負わせちまったのが反省点だな、 まあ、あそこで突っ込んだら爆発に巻き込まれて奇襲の意味がなくなっちまうから仕方無かったが・・・ それに・・・ロイ。なんで、俺達を狙う?仲間だろう?・・・そして、なんでお前等が生きてたんだ?」 ロイ「それは・・・言えないな。第一・・・ ・・・・僕達は・・・・仲間なんかじゃ、ない・・・!」 ドンキー「っ・・・なんだと・・・!?」 信じられない言葉にドンキーは驚きと怒りの混じった声を上げた。 ドンキー「て、テメェ・・・今・・・なんて・・・ッ」 ロイ「聞こえないのか?仲間なんかじゃないって言ったんだよ!!はっはっは!!」 全く仲間意識を持たないかのような性格に豹変したロイ、そしてフォックス。 あの優しい二人が?そう思えてくるほどに、彼等は歪んでいた。 続く 音楽提供:タクミドットネット 戻る