「僕達を退けた、でも君達はこの運命から逃れる事は出来ない・・・!」


「恐怖と痛みと絶望に・・・苦しみ、死んでゆく・・・その、運命の呪縛からはなぁッ・・・・!!」  


「首一つでは足りない・・・。私は、マスターソードは、もっと血を欲している・・・!」


「はははァッ・・・・僕の・・・勝ちだ!任務完了、僕の勝ちだぁあッ!!
 あーっはっはっはっはっ!!ふふふ、はははははは!!」


「君達はここで全てを終える。僕達の手によってね」


「ぁはははははは!!どうだい、僕の力ァッ!!
 君達なんかじゃ到底僕には及ばないんだよねぇ〜っ!!」


「あーっはっはぁ!脆いよ、脆すぎだよみんなッ!
 こんな奴等が僕達と同じように幾多の辛い戦いを潜り抜けて来た戦士達とは思えないなぁ!」


「赦さんぞ・・・貴様ァ!生きて帰れると思うな・・・!?」


「虫けらどもめが・・・圧倒的な力の差を見せ付けてくれるわ」


「おーっほっほっほ。楽しみだわぁ、今からあの六人を思う存分にいたぶれるかと思うと・・・!」


「同じく。こりゃあ今年最大のビッグイベントだ・・・血湧き肉踊るぜぇ!」


「会話なんかしていられるのも今の内よ?反逆者達ッ!」


「ほらほら、二人とも〜。怖い事言わないで。獲物は皆で平等に分けようよ?」


「そうです。独り占めはいけない事ですよ?」


「さあ、皆さん。・・・やってしまいなさい」


「・・・何トデモ言ウト良イデスヨ。私ハ必ズヤ貴方達ヲ元ニ戻シマス。
 何故ナラ、私ハ奴ノ汚イ策ヲ破ッタ者デスカラ。ソシテ、モウ一ツ理由ガアリマス。
 ソウ、私ハ・・・・!」


「・・・ッ・・・思い出すのだ・・・みんな・・・
 ファルコが・・・解き明かしてくれていったではないか・・・。我輩達へ、希望と言う光を残していってくれたではないか。  
 ・・・・あの手袋を捕らえれば、フォックスや、ピカチュウ達、みんなを・・・ファルコだって生き返らせることが出来る!
 だから・・・進むのだ。あの手袋を必ずや探し出し、我輩達の手で、取り押さえてやるのだ・・・!」


「行こうぜ、みんな・・・クッパの言う通りだ。
 俺達はファルコの死を無駄にしちゃいけねえ・・・」


「・・・そう、だよね・・・こんな、酷い仕打ちをするような奴を・・・」


「命を弄ぶような奴を・・・このまま野放しにしてちゃ・・・いけないし」


「いつまでも震えてちゃ・・・・怖がってばかりじゃ、あんなにも勇敢なファルコに申し訳が立たない、から」


「・・・あいつを倒しに。みんなを助けに。・・・行こう」


「マルス、ネス・・・・絶対に、あの手袋をとっちめて、他の奴等を生き返らせて・・・お前等の洗脳も解かしてやるからな・・・・・・・・」












  十八話 巻き起こる地獄の業火











マスターハンド「なるほど、ゲーム&ウォッチが・・・。
        意外な者が意外な行動を起こすものだな、裏切りとは・・・」
「裏切りだと?みんな、元々お前の手下なんかじゃねえ。てめえが裏切りなんて言葉、口にすんなっ!」
マスターハンド「・・・来たか」


無数の星が辺り一面に浮かぶ宇宙のような空間。その空間の中心に位置する巨大な足場に、
真っ白な右手袋──マスターハンドは居た。
マスターハンドの周りには三人のメンバーが立っている。マリオに子供リンク、そして先程も遭遇したヨッシー。
彼等の立つ足場の上に降り立った一行が、足場の上を浮かぶ右手袋を睨みつける。
手袋の言葉に耐え切れなくなったドンキーが溜まらず声を荒げる。
ドンキーの叫び声を聞き、やっと一行の存在に気がついたマスターハンドとマリオ達が、六人の立つ方向へと向き変わった。


マスターハンド「ふん、ヨッシーから聞いているぞ。あの裏切り者のおかげで予定が狂ったわ・・・。
        やむを得ない・・・、例の作戦だ。さあ、私への忠誠心を見せるが良い・・・!」
マリオ「仰せのままに、マスターハンド様・・・!」
クッパ「マスターハンド、と言うのか・・・ガハハ、そのままの名前だなぁ!?」


挑発の言葉を投げかけながら、クッパが迫り来るマリオに突進してゆく。
走りながら、マリオは手の平から火炎の塊を撒き散らす。
対してクッパは床を跳ねる炎の弾を両腕の爪を振るって掻き消しながら、鋭い爪をマリオ目掛けて振り下ろす。
しかし、振り下ろされた爪がマリオを貫く事はなかった。
マリオは軽い身のこなしで、クッパが爪を突き出した瞬間に跳躍し、クッパの背後に着地したのだ。


マリオ「喰らえ、ファイア掌低ッ!!」
クッパ「グォオオオオオッ!!?」


クッパが振り向いた瞬間、その腹にマリオの掌低が減り込み、その上で凝縮された炎がクッパの腹で爆発を起こす。
悲鳴を上げて吹っ飛ばされたクッパの飛んでゆく先にはマスターハンド。
即座に身体を開き、クッパの巨体を受け止めると、クッパを握って一行目掛けて投げつけた。
咄嗟にドンキーがクッパを受け止めるが、気がつけばいつのまにか子供リンクとヨッシーが一行に向かって突進してきていた。


子供リンク「っはぁあああ!!」
ヨッシー「たりゃぁああッ!!」


雄叫びを上げながら子供リンクが短めの剣を振り上げてルイージに斬りかかる。
それに続いてヨッシーが叫びながらピチュー目掛けて跳び蹴りを繰り出してきた。
即座に反応し、ルイージは振り下ろされた剣を脇へ跳んで回避する。
ヨッシーの跳び蹴りに対して怯むことなくピチューが放電し、ヨッシーを返り討ちとする。
その間にクッパとドンキー、アイスクライマーの二人はマスターハンドとマリオの元へ駆けていった。


子供リンク「ははぁっ、よくかわし切れたねぇ!?それじゃあ、これならどうだい!!」


嘲笑うかのような笑い声を上げながら素早く子供リンクは体勢を立て直し、
第二撃をルイージに叩き込むが、剣先はルイージではなく床に打ち据えられた。
咄嗟に後退して距離をとったルイージが、手の平を子供リンクに向けて緑色のファイアボールを連射する。


子供リンク「・・・・ふふっ・・・!」
ルイージ「ッ・・・?!」


にやりと不敵に笑みを浮かべると、子供リンクは剣を鞘に収めながらその場から飛び退いてルイージの攻撃を回避し、
それと同時に懐から取り出した爆弾をルイージ目掛けて投げつけた。爆弾が着弾した瞬間、爆弾を中心に爆発が巻き起こる。
爆発に巻き込まれたルイージが吹っ飛ばされ、後方へと転がるようにして倒れてしまった。
だが、それがきっかけとなってルイージはある事に気がつく。


ルイージ「(・・・爆発に巻き込まれた肌や服が、焼けて・・・ない?)」


倒れながらも、視線を移動させそれに気づいたのだ。
そして、それはこの後続くであろう戦いにとって、かなり重要と思しき答えへと繋がった。


ルイージ「ここは、もともと乱闘用ステージだから・・・攻撃を受けても、
     %式のダメージに変換されるだけで、身体が傷つく事はない・・・!!」
子供リンク「・・・・・ふふふ、やっと気づいたようだねぇ・・・?
      く、くくく・・・ははは。あぁっはっはっはっはッ!!!」


不気味に微笑みながら歩み寄ってくる子供リンクがそう言い放った。
つり上がっていた口の端が開き、笑いを堪えるかのように噛み締められた白い歯が露になる。
その歯さえも上下へと開いた。大きく開けられた口からは狂気の含まれた笑い声が上がり、立ち上がったばかりのルイージを怯ませる。


子供リンク「教えてあげるよ。何故、わざわざせっかく与えたダメージが
      蓄積ダメージ%として変換されてしまう、乱闘用ステージで君達を待ち構えていたのか。
      まあ確かにマスターハンド様はここを拠点に僕達に指示を出してたけど・・・、
      ここで待ち構えていたのは緊急事態──、まさに今の状況の事だけどね、
      君達を始末する為に送り込んだメンバー達の包囲網を万が一潜り抜けて、ここまで辿りついてしまった場合の為、
      簡単にこのステージから場外にして、再びメンバー達の元へと追い出す為。あの数のメンバーに真っ向勝負を挑んで、
      君達がマスターハンド様と戦うほどの余力を残しての勝利なんてありえないし」
ルイージ「・・・だから、ダメージが溜まっていくごとに吹っ飛ばされやすくなる設定の施されている、
     乱闘用のステージに居座っていた、って事か・・・」


子供リンクはルイージの言葉に返事はしなかったが、
その言葉を肯定するかのように満足気な笑みを見せると、剣を構えて、再びルイージに襲い掛かってくる。
対してルイージも、腕に力を込め、床を蹴って駆け出し、襲い来る子供リンクの勢いに抗うように立ち向かっていった。


ヨッシー「でえええぃいやッ!!」
ピチュー「うわぁあっ!!」


一方で接戦を繰り広げるピチューとヨッシー。
掛け声と共にピチューを打ち据えたヨッシーの石頭の威力は計り知れず、そのままピチューの事を吹っ飛ばす。
それでもピチューは空中で体勢を立て直し、受身を取ってからのこうそくいどう≠ノよって素早くヨッシーに飛び掛る。
不意を突かれたヨッシーの懐に潜り込み、逃がさないようにしっかりと、ヨッシーの身体に張り付いて、
ピチューは自らの頭上に真っ黒な雷雲を呼び出した。


ヨッシー「く、うぁあ・・・!?」
ピチュー「かみなり!!!」
ヨッシー「ぐぁぁぁああああああぁああッ!!!!」


稲妻はピチューへ・・・いや、ヨッシー目掛けて一直線に降り注ぐ。
感電したヨッシーが悲鳴を上げる。そして雷と同時に喰らった衝撃に弾き飛ばされ、床を転がっていった。


ヨッシー「ぐうっ・・・!なかなか、やるじゃないですか・・・!」
ピチュー「このまま畳み込ませてもらうよっ!」
ヨッシー「させませんよぉ!!」


飛び掛ったピチューが立ち上がったヨッシーの脳天目掛け、思い切り尾を振るった。
しかし、緊急回避で攻撃をかわされ、大きく空ぶったピチューが床に尻餅落下し、隙を見せてしまう。
すかさずそこにヨッシーが頭から突っ込んでくる。
強力な頭突き攻撃を避けきれず、勢い良くピチューは吹っ飛ばされた。


クッパ「・・・・・」


ふとクッパが見上げると、マスターハンドはステージの奥へと移動し、やや高めの位置に浮かんでドンキーと戦っている。
先程ドンキーが「先に奴と戦ってるから、早めに倒して加勢してくれよ!」と言い残してマスターハンドの元へ向かっていったのだが、
彼の唯一の飛行技であるスピニングコングで何とか届くほどの高さをマスターハンドは滞空している。
そんな状況では、空中を自在に動き回れるマスターハンドの方が明らかにに有利だ。
早く加勢しないと、このままでは──。そう思考を巡らせていた瞬間、マスターハンドが急降下し、ドンキーを殴り飛ばした。
一刻も早くマリオを倒す、そう決意し、怒りを凝縮した瞳をマスターハンドに向けると、
ぎり、と歯軋りしたクッパが再びマリオに向かって走り出した。


クッパ「ガァアアアアッ!!!」
マリオ「ちっ、うっとうしい・・・・!」


大きく振りかぶっての爪による一撃だったが、軽くいなされ、クッパは勢い付いたままマリオの後ろへと倒れこんでしまう。
それによって生じた隙をマリオが見逃すはずもなく、にやり、と口の端を吊り上げてマリオが手の平を起き上がろうとするクッパに向ける。


マリオ「終わりだ・・・」
ポポ「させないよ!」
ナナ「てええぇいっ!」


マリオの手の平から炎が生み出された瞬間、マリオの両脇にアイスクライマーの二人が飛び出してきた。
突如現れた二人に、一瞬戸惑ったマリオの隙を突いて二人が同時に、マリオ目掛けてブリザードを放つ。
両脇からの吹雪を喰らい、身を切るような痛みに悲鳴を上げつつも、
マリオは後方へと飛び退き、身体の所々を凍て付かせながら冷気の渦から脱出した。


マリオ「くっそ、がぁあ・・・っ!」
クッパ「スピニングシェル!!」
アイスクライマー「「たあああっ!!」」
マリオ「ちぃっ!!」


甲羅の中に身を収め、急速回転しながらクッパがマリオに突進する。
更に、今度はクッパの両脇からアイスクライマーの二人が氷の塊を作り出し、マリオ目掛けてハンマーで打ち飛ばす。
舌打ちしながらマリオがクッパの突進を避け、続いて迫り来る氷の塊を軽く跳躍して回避した。
着地した瞬間、強く床を蹴って手近に居たポポとの間合いを一気に詰める。
慌ててポポがハンマーを構えるが、時既に遅し。
マリオの掌低がポポを大きく吹っ飛ばす。そこにナナがハンマーを振り下ろすが、転がり回避でなんなくナナの攻撃を避けてみせる。
隙を見せたナナにマリオが立ち上がりざまに殴りかかろうとしたが、それは叶わなかった。
背後からクッパが燃え盛る灼熱の炎をマリオに向かって吐き出したのだ。


マリオ「ぐ・・・ッ、ぁああああぁあ!!」
ナナ「今、だぁっ!!」
マリオ「グぅがぁああぁッ!!?」


炎に巻かれて身動きの取れないマリオを、ナナがハンマーで思い切り殴り飛ばす。
身体中に火を巡らせながら転がったマリオには、確実にダメージは蓄積しているはずだが全く外傷は見られない。
クッパ達も気づいていた。ここは乱闘用ステージで、受けたダメージは全て%式の蓄積ダメージとして変換されると言う事を。


クッパ「ならば、奴等のダメージを蓄積させ、吹っ飛ばして場外にさえしてしまえば、競技場行きとなる・・・
    そうすれば、マスターハンドの洗脳の解き方を知るウォッチに、正気に戻してもらえるのだ!!」
マリオ「ぐっ、ぉおおおおおおお!!?」


叫びながら、一気にクッパが震えながら立ち上がろうとしていたマリオに接近し、裏拳を叩き込む。
既にかなりのダメージが蓄積しているマリオは、その一撃でステージの端まで吹っ飛んでいった。


マスターハンド「く、くく・・・くくくくっ・・・!」
ドンキー「・・・何だよ?いきなり、笑い出しやがって・・・」
マスターハンド「ふん・・・貴様等がいかに愚かで無知な者どもかと言う事が分かった。
        スマッシュブラザーズが、本当に私に操られているなどと思っているとはなぁ・・・!」
ドンキー「・・・・!?どういう事だ!」


ドンキーが戦っていたマスターハンドが突如として笑い声を上げ、
訝しく思ったドンキーの問いに意味ありげな言葉を漏らすマスターハンド。
妖しげな雰囲気を漂わせるマスターハンドに、感情的になったドンキーが食って掛かる。
次の瞬間、マスターハンドが衝撃的な言葉を言い放つ。


マスターハンド「スマッシュブラザーズには、各自、様々な『感情』を注ぎ込んで、私の忠実な下僕へと仕立て上げたのだ・・・
        奴等全員を操るとなると、私一人で奴等全員を動かさなくてはならないからな、
        怒りや憎しみ、欲望の渦巻く感情で勝手に動く、戦闘機械へと変えてやった」
ドンキー「な・・・なんだとっ・・・」
マスターハンド「更に言うとな、今、貴様等の戦っているマリオとヨッシー、子供リンクは私の感情操作を受けていない。
        あの三人だけは、私が何も手がけずに、私の忠実なる兵士と成り上がった、
        素晴らしき手下・・・いや・・・私の、仲間達だ・・・!」


呆然とするドンキー。最初の感情操作については分かる。どちらにしろ洗脳と同じようなものだ。
しかし、マリオ達三人の事が気がかりで仕方がない。奴の感情操作を受けていないだと?
混乱するドンキーを嘲笑うように、マスターハンドが続ける。


マスターハンド「クッパの作戦は、マリオ達を場外にし、ゲームウォッチに正気に戻させてもらい、その上で私に挑むと言うもの。
        だが、マリオ達は元々正気だ、場外にしてもそのまま再びこのステージへと戻ってくるだけだ・・・!」
ドンキー「そんなっ・・・マジかよ・・・・!!? い、いや待て、どうせハッタリだろ・・・?
     ま、マリオ達が洗脳されないでお前なんかの仲間になるなんて、ありえねえだろうがっ!!?」
マスターハンド「くく、だから貴様等は愚かだと言うのだ・・・!!」


言いながら、マスターハンドが人差し指をドンキー目掛けて思い切り突き出した。
先程から指で突いてきたり、ドンキーを振り払ったりするばかりで、
時々体当たりをかましてくるのだが、あまり強力な攻撃は仕掛けてきていない。
どう考えても本気で戦ってはいない、これ以上の事は教えない、
と言わんばかりのマスターハンドの態度と戦法に苛ついたドンキーは攻撃を避けはせず、腕を振るって反撃する。
素早く指先は退けられ、ドンキーの拳は空を切る。悔しそうに歯噛みしたドンキーを、
マスターハンドが嘲笑いながら体当たりでクッパ達の戦っている所まで吹っ飛ばした。


マスターハンド「くく、くふふふふ・・・元、スマッシュブラザーズ達よ・・・貴様等如きが・・・私に勝つ事など出来はせんわ・・・!」


呟いたマスターハンドが、もう一度笑声を上げた。
いつの間にか終点の足場を包む巨大な銀河系は、緑色の枠に囲まれたいくつもの文字や数字の配列が一面に並び、
それら全てが下から上へと流れてゆくという、奇妙なものへと変わっていた。


マリオ「はぁ、はあっ・・・くそぉお、ヨッシー!リンク!何故か戦況は俺が劣勢に立たされている!例の作戦だ、来いッ!!」
子供リンク「僕はむしろ優勢なんだけど」
ヨッシー「同じくですよ〜?」
マリオ「アホっ、お前等は一対一だろうが!俺は三対一・・・いや、今さっきドンキーが飛んできて四対一なんだよ、察しやがれ!」


クッパ達と距離を取ったマリオの叫び声に、渋々と言った表情で自分の対戦相手から離れ、マリオの元へ集った。
ピチューとルイージも、身構えるクッパ達と合流し、マリオ達三人を見据える。
見れば、ヨッシーの背にマリオがまたがり、子供リンクはマリオの後ろの背に立っていた。
この後彼等が取るであろう行動は誰もが予測できた。やはり二人を背に乗せた状態で、ヨッシーが一行目掛けて駆け出してきた。


マリオ「行くぜ、第二ラウンドだ!ファイアボール!!」
子供リンク「僕等の連携攻撃の威力、見せてあげるよっ!」
ポポ「う・・・うわああああああっ!?」


ヨッシーの背にまたがるマリオの手の平から無数の火の玉がぶちまけられる。終点が一瞬にして炎の海と化す。
燃え盛る炎の中を突っ走るヨッシーの背から、今度は先端に炎を灯した矢が乱れ飛ぶ。
火の玉と炎の矢の嵐を避け切る事はできず、六人全員が痛手を受けてしまう。
炎に包まれる一行に、マリオ達の攻撃のとばっちりを受け、全身に炎を巡らせたヨッシーが勢い付いたまま、体当たりを仕掛ける。
その一撃によってバラバラの位置に吹っ飛ばされた六人の中の誰かに狙いを定めたマリオと子供リンクは、
炎の弾丸と化しているヨッシーの背から跳躍し、空中でそれぞれ拳と剣を構えた。


マリオ「死ねクッパ!!うぉおおらぁあああッ!!」
子供リンク「喰らいなよ、ドンキー・・・!でやぁーっ!!」
クッパ「ぬぉおおお・・・ッ!?」
ドンキー「ちっくしょーがぁっ!!」


マリオのメテオナックルをクッパが太い腕で弾くが、無傷というわけにもいかず、
いや、実際の所は無傷な訳だが、結構なダメージを喰らってしまう。
下突きを放った子供リンクは、下方向へ突き出した剣先をドンキーの大きな手に受け止められた。
そのまま剣を握ったままの子供リンクが床に叩きつけられる。体制を崩し、他の仲間と合流しようとしていたルイージの前にヨッシーが立ち塞がる。
ヨッシーは身体中を焼いていた炎を振り払い、自らを巨大な卵の中に閉じ込め、その状態でルイージに突進してきた。
彼の必殺技、ごろごろたまごはルイージとって完全に不意打ちだったらしく、避ける間もなく体当たりを喰らって大きく吹っ飛ばされる。


マリオ「ははぁっ、どうだぁ!?一気に大ダメージだぜ!!」
子供リンク「さぁーって、もう一度やってあげようか!?」
ヨッシー「・・・私としては身体が焼けるのはもう勘弁して欲しいですけど」


口々に言いながら二人が再びヨッシーの背中に飛び乗る。一歩二歩、三歩と後退して一行との距離を開ける。
体制の整え切れていない六人を見据えたヨッシーが、未だ炎の残る終点の上を全速力で走り出す。


マリオ「もういっちょ行くぜぇ!!」


ヨッシーの背に乗るマリオと子供リンクが次々に火の玉と炎の矢を撒き散らす。
ダメージを喰い、炎に視界を奪われた六人が焦りながらも身構えた。次の瞬間、炎を突き破ってヨッシーが突進を仕掛けてくる。
狙いはピチューだった。反応できなかったピチューがはね飛ばされ、更にヨッシーが炎の中に突入する寸前に、
背中から飛び降りてきていたマリオが落下しながらポポの背後に回り、空中からの蹴りをポポの背にお見舞いした。
ポポに気を取られたナナが、すぐ前へと迫ってきていた子供リンクの一閃を左肩に受ける。身を裂かれるような痛みが走ると同時に、
ナナは後方へと吹っ飛ばされてしまった。


クッパ「ぐぬぅう・・・!喰らうのだッ!!」
マリオ「当たるかよぉそんな鈍い攻撃がぁッ!!」


業火の中、マリオにクッパが爪を振り上げて突進するが、緊急回避で爪による攻撃はかわされ、背後へと回りこまれる。
振り向こうとするが、ミドルキックを打ち込まれ、苦悶の声と共にクッパが床を激しく転がった。
すかさず起き上がろうとするクッパ目掛け、子供リンクの掴み道具、フックショットによってルイージが投げ飛ばされてくる。
クッパはルイージと激突し、またしても仰向けに床に叩きつけられるように倒れこんでしまう。
それと同時刻にドンキーの絶叫が響く。見れば、ドンキーはヨッシーの長い舌に絡め取られ、
そのまま滅茶苦茶に振り回されて何度も燃え盛るステージのあちらこちらに叩きつけられていた。


ドンキー「うッ・・・ぐぁあああああ!!!」


最後に、凄まじい勢いでステージに叩きつけられると、ドンキーの身体が持ち上げられ、空中へと投げ飛ばされる。
追い討ちをかけるように、ヨッシーのたまご投げがドンキーを襲う。
投げつけられたタマゴがドンキーに触れた瞬間破裂して、体制を整える事を許さない。
受身も取れずに、炎の上がる床に落下し、ドンキーが堪えきれない熱と痛みに悲鳴をあげた。


ルイージ「ぐ・・・う、」
クッパ「強いッ・・・強すぎる・・・!?」
マリオ「はははっ・・・これが、俺達の連携攻撃の力さ」
子供リンク「一人の時はやられてなかったっけ?」
マリオ「うるさい、あれは多勢に無勢だ」


立ち上がれない一行を見下ろし、軽口を叩きつつも六人全員を、
容赦なく場外にしようと構えるマリオ達に、誰もが少なからず恐怖心を抱いただろう。
終点の奥で、マスターハンドの高笑いが響き渡る。マリオ達に全く敵わない一行を、嘲笑うように。
それによって、恐怖心を怒りへ転じた六人が次々と立ち上がる。そして、マリオ達三人を超えて──、マスターハンドを睨みつける。


ドンキー「俺達は、マスターハンド・・・お前を倒す。だから・・・お前等に構ってる暇なんざねえんだよ、マリオ・・・!」 
マリオ「俺達の足元にも及ばないお前達が、マスターハンド様を倒すだと?・・・いい加減、寝言は寝て言うようにしやがりなぁ!!」
子供リンク「そうだよ、そんなセリフ、まずは僕達を倒してから言うんだねぇ!ま、無理に決まってるけどさぁー?」
ヨッシー「さあ、そろそろ終わりにしましょう。貴方達が場外にさえなれば、後は他の方々に秒殺されるのですから・・・」
マスターハンド「くくくッ・・・はぁーっはっはっはっはっ!!宴の余興だぁ・・・・! せいぜい、私を楽しませてみるが良い・・・!!」






続く



音楽提供:VGMusic






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