私達は未来からの使者。


  未来のあのお方の目的を達成するために送り込まれた、


  いわば、刺客。


  私達は、私達が取っている姿の持ち主に成りきり、全てを騙さなくてはいけない。  


  とても難解な指令ですが、私達はこの任務を達成しなくてはならない。


  そう。


  あのお方の為に。






  第十二話 小さな希望、大きな悪意








マルス「討つべき仇の重さが、更に増えてしまった。・・・絶対に許さない・・・・・悪魔達め」
クッパ「くっ・・・!」


憎しみを凝縮した彼の瞳がクッパを射抜く。
思わず怯んでしまった次の瞬間、予想外の素早さでマルスはクッパの懐へ飛び込んできていた。


マルス「ドラゴンキラーッ!!!」
クッパ「グヌゥオァアアッ!!?」


クッパの腹部にもう一閃、深い傷が残された。即座に脇からファルコがマルスに蹴りかかるが、
すぐさま剣で受け流され、隙を晒したファルコの右肩に鋭い痛みが走る。
続いてマルスは血しぶきを上げる二人を抜け、ピチューに切り掛かる。
慌てて緊急回避で振るわれた剣を避けたピチューだったが、その直後マルスの蹴りがピチューの腹部に減り込んだ。
むせながら床に転がり落ちたピチューに、マルスは容赦なくとどめを刺そうと剣を構える。
しかし、ピチューに剣を振り下ろした瞬間、剣の持ち手に何かが激突した。
その衝撃で剣の狙いは外れ、ピチューのすぐ脇に剣が打ち付けられる。
それと同時に床にガシャン、と音をたてて投げつけられたマイクが転がった。


ルイージ「イイィヤッハァァアアアアーーーッ!!!」
マルス「──ッ!?」


ルイージは、近くに転がっていたマイクをマルスに投げつけた後、全力疾走でマルスに飛び掛った。
マルスの脳天に打ち据えられたルイージの渾身の一撃、脳天チョップは予想以上にマルスをふらつかせる事ができた。


ピチュー「ルイージ、離れて!・・・たぁっ!!」
マルス「ぐああああぁッ!!」


ルイージがマルスの元から飛び退いたのを確認すると、ピチューが倒れたままマルスの腹部目掛けて電撃を一直線に解き放つ。
青白い閃光がマルスの身体を撃ち、彼をモニターの残骸が散乱している所まで吹っ飛ばした。


ネス「たった一人に大勢でよってたかって・・・本当、卑劣な手ばかっりだね・・・。PKぇぇぇ・・・!フラァァーッシュ!!!」
クッパ「ウグッ・・・!?避けるのだ、ピチュー!」
ピチュー「ッ・・・!?」


瞬間、ピチューを包み込んだ緑の光が爆発し、乱れ飛ぶ鋭い光がピチューの身体を灼き裂いた。
床に叩きつけられ、大きく撥ね跳んだピチューが宙を舞う・・・。
術者であるネスが、その様を嘲弄しつつ左手に持ったバットを振りかざす。
そして彼は肩を押さえながら必死にブラスターでネスに狙いを定めようとするファルコ目掛けて駆け出した。
その行動に、目を見開き焦った様子でファルコがブラスターの引き金を引いた。
だが、狙いの定まらない銃弾はネスの脇を通り過ぎ、彼の武器の一振りを許してしまう。


ファルコ「がッ・・・・!」
ルイージ「ファルコォッ!!」


腹部に走った鈍い痛みと共に少量の血を吐いてファルコが崩れ落ちる。
不幸中の幸いとも言うべきか、利き腕とは反対の手に持った武器による打撃だった為か、気を失う程のものではなかった。
それでも、屈強なスマッシュブラザーズの一員が倒れ込む程であるから利き腕ではないからと言って油断は出来ない。
慌ててルイージが彼の名を叫びながら駆け寄ってくるが、ネスの指先から放たれた炎を凝縮したPSIがルイージの行く手を阻んだ。


クッパ「炎なら・・・我輩も負けぬぞォオオオオオオオッ!!!」
ネス「・・・・・サイマグネット」


やや離れた位置からクッパが口を大きく開き、灼熱の業火を吐き出した。
吐き出された火炎の息は、散乱する計器類を焼き溶かしながらネスに襲い掛かってゆく。
しかし、ネスを包み込んだ青白い光の前には鉄をも溶かす業火も無効化され、更にネスの傷を回復させる結果となってしまった。
右手に刻まれた傷が消失し、にやりと不敵な笑みを浮かべると、ネスは左手のバットを右手に持ち替える。
目の前から飛び掛ってくるクッパ、燃え盛る火柱をよけて左方向から突進してくるルイージ。
──・・・楽勝だね。


ネス「っはぁああ!!」
クッパ「グゥッ!?」


瞬時にネスが飛び掛ってきたクッパの腹にバットの先端で突きを喰らわせる。
苦悶の声を上げてネスに両手の爪を振り下ろす事なく床に転がったクッパ目掛け、左手の指先から火炎を凝縮したPSIを放つ。
火柱がクッパの甲羅からあがり、クッパが更に悲鳴を上げて激しくのた打ち回る。嘲笑しながら、突進してきたルイージをバットで殴り倒し、
倒れこんだルイージの襟首を掴んで無理矢理起き上がらせ、もう一度床に叩きつけ、
間髪入れずにPKファイヤーを連続で放つという荒業じみた強烈な追い討ちを喰らわせた。


ポポ「く・・・・っ・・・・」
ナナ「み、みんな・・・?」
ネス「・・・しつこいな。まだ起き上がってくるか」


突然、勝利を確信していたネスの瞳孔が大きく開いた。彼の目に映るのはそれぞれ離れた場所で、
それでもほとんど同時に立ち上がった二人の少年少女。
ネスは軽い舌打ちと共に、身体が焼け爛れてゆく痛みに絶叫していた
ルイージとクッパをPSIで操ってルイージと同じ方向へ投げ飛ばし、戦闘の為のスペースを確保する。
その仕打ちに歯噛みしたポポが武器を構え駆け出した。遅れてナナも走り出し、ネスに飛び掛っていった相棒の元へ向かった。


ポポ「ええぇいッ!」
ナナ「やぁああっ!」
ネス「ふふっ、そんな闇雲の一撃、あたらないよ」


不敵に笑ったネスはポポの先制攻撃を跳躍して回避し、
次の瞬間襲い来たナナの武器の一振りも空中で後方へと自らの身体をPSIで移動させて軽く避けてみせる。
それぞれ武器を振るった直後に生じた隙を見出され、足元からしぶいた火柱に捕らわれてしまい、
身体中を焼き尽くす業火に二人が痛々しい悲鳴を上げた。


ポポ「う、ぐ、・・・ぁああああああッ!!」
ナナ「きゃぁああああああ!!」
ネス「あーっはっはぁ!脆いよ、脆すぎだよみんなッ!
   こんな奴等が僕達と同じように幾多の辛い戦いを潜り抜けて来た戦士達とは思えないなぁ!」
「じゃあ、それを今から証明してやるよ・・・!」


ネスの背後で何者かの声が響いた。驚いて振り向いた瞬間、ネスの顔面に大きな拳が叩き込まれる。
悲鳴を上げながら、ネスは火柱に捕らわれた二人の間を通り抜け、勢い良く吹っ飛んでいった。
それと同時にPSIの効力が切れ、二人を包んでいた火柱が消えてなくなる。
焼け焦げ、ボロボロになったポポとナナが顔を上げると、
そこには不敵な笑みを浮かべながら調子を確かめるかの様に右腕を振り回すドンキーが立っていた。


ポポ「ド・・・ドンキー・・・」
ナナ「あり、がとう・・・助けてくれて」
ドンキー「礼はいらねえぜ、当然の事をしたまでだ。
     ・・・そういやカービィはどうした?マルスはさっきモニターが落ちてる所に倒れてたけどよ」
ポポ「いや、それが、僕達もさっき起きたばかりで良く分からな──ぐあっ!!」
マルス「カービィは、僕が倒れていたそのモニターに押し潰されて死んだ・・・君達のせいで、だ!!」


ドンキーの問いに答えていた途中のポポが突如悲鳴を上げて崩れ落ちた。
倒れた彼の後ろには、血の付着した剣を構えたマルスが。
咄嗟にドンキーが両腕を構え、ナナは倒れたポポを引っ張ってその場から逃げ出した。


ナナ「ドンキー、ごめん!すぐに加勢するからっ・・・!」
ドンキー「おうよ、任せとけッ」
マルス「ロイの、フォックスの、リンクのピカチュウのカービィの仇だぁッ!!」


凄まじい速度で振るわれた剣が床に接触し、その部分をえぐり飛ばす。
標的であるドンキーは高く、後方へと跳躍して攻撃を回避していた。
マルスとの距離をある程度とったドンキーは、四肢を床について、
本来のゴリラとしての走り方で一気にマルスへ迫り、再び振るわれた剣先がドンキーを切りつける寸前に床を蹴ってマルスに飛び掛る。
不意を突かれたマルスは対応しきれずに顔面へのドンキーの渾身の一撃を許してしまい、思い切り倒れこんで、床に後頭部を強打した。


ドンキー「・・・本当に、カービィは死んじまったのか?」
マルス「グッ・・・・くっ、そうだッ・・・君達悪魔が、彼を死に追いやったんだ!
    僕が目を覚ますのがもっと早ければ、崩れ落ちるモニターの真下で気を失ったカービィを助け出せたかもしれない・・・
    くそっ!!ちくしょう・・・ッ!!君達のせいで・・・君達のせいで、みんな、みんな死んでいったんだッ!!悪魔達めッ!!!」
「そういえばお前は聞いてなかったんだっけな、俺の──、俺等の言い分」


倒れたままのマルスがギョロリと鋭い両目を声のした方向に向ける。
嘴からつたう血を服の袖で拭きながら歩み寄ってきたのは、ファルコだった。


マルス「君達の・・・言い分?」
ファルコ「お前等は仲間が・・・俺等が、お前等の言う危険分子だからと勝手に決めつけ、
     そして俺等を殺そうとした。だったら俺等も、お前等も同じなんじゃないかってな・・・
     俺としてはこんな事言いたくねえが・・・いや、考えたくもねえが・・・お前等は俺等を殺そうとしている、俺等は殺されるわけにはいかない。
     だから俺等は・・・お前等を殺してでも生き延びなければいけない・・・・!!」
マルス「僕達と、君達が、同じ・・・・・だって・・・・・・・・?
    ・・・・・・・ふッ・・・何を言い出すのかと思えばッ!くだらない!ゴミ同然の発言だよ!
    勝手に決め付けてるのはそっちじゃないか・・・!僕達はあのお方の忠実なるしもべ、そしてッ!
    あのお方の、数少ない理解者達の内の一人だ・・・・・。その僕達にあのお方が仰った事が間違っているわけがない、
    間違っているのは君達なのさ!だから、僕達はッ!君達なんかと、同じなんかじゃないッ!!!
    僕達を殺してでも生き延びなければいけない!?バカめ、何故君達が生き延びないといけない!?何か、理由でもあると言うのかッ!!?」


ファルコの言葉に激怒したマルスが叫びながら弾ける様に飛び起き、そのまま目の前に居たドンキーに斬りかかる!
咄嗟に両腕で斬撃を受けるが、辺りに鮮血が飛び散った。走った痛みにドンキーが片膝をつき、マルスがとどめを刺そうとしたが、
脇から飛び出してきたファルコの蹴りが決まり、数メートルほど吹っ飛んだ後に床に転がった。


マルス「く・・・そぉお、ネスゥッ!!」
ファルコ「何ッ!?」
ネス「だあああぁッ!!」


瞬間、ファルコを背後からネスがバットを殴り飛ばした。
再度走った鈍い痛みと共にファルコが勢い良く床を転がり、今度は腕を負傷したドンキーに狙いを定めたネスが走ってゆく。


「ブリザードッ!!」
ネス「うわああッ!?」


しかし、ネスはドンキーをバットで殴り倒す事ができなかった。
突如凍りついた床に足を滑らせ、思い切りうつ伏せに倒れるように転んでしまったのだ。
床を凍らせたのは、アイスクライマーの一人、ナナ。どうやら、ブリザードをネスの足元に放ったらしい。
咄嗟にドンキーは傷を負いながらも両手でネスを掴み、出来るだけ遠くへと投げ飛ばす。
歯軋りしながらマルスが立ち上がろうとするが、それを阻止するべくマルス目掛け氷の塊が勢い良く滑ってきた。
塊がマルスに激突し、マルスは立ち上がれずに再び床に伏した。
驚きと痛みの入り混じった表情でマルスが目で氷の塊が滑ってきた弾道を辿る。
そこには、先程自分が倒したはずのポポが立っていた。


マルス「小賢しいッ・・・何で君達は・・・ここまでダメージを負っても、尚も立ち上がる事が出来るッ!?」
ポポ「はぁ、はぁッ・・・・何・・・言ってるのさ、マルス・・・君だって、他の皆だって・・・・今までは、そうだったでしょ?
   スマッシュブラザーズとして・・・・仲間の為に、世界の為に・・・何があったって、今まで、皆で一緒に立ち上がってきたはずだ!」
ネス「っぐ・・・ふ、ふふ・・・意味が・・・分からないなあ、全く・・・・。一体、君達は何が言いたいんだい?ポポ?」
ポポ「ッ・・・・」


ポポの訴えも、もはや彼等には通じなかった。
やはり彼らは彼らに良く似た偽者なのだろうか。・・・そのような考えも、心のどこかでは否定してしまっている。
絶望の表情を浮かべたポポの脇に、相手を睨みつけるような眼差しでファルコが歩み寄ってきた。


ファルコ「マルス。・・・・さっき、お前は言っていたな・・・俺等が生き延びなければいけない理由について」
マルス「ああ、確かにね。でも、それがどうしたというんだい?」
ファルコ「教えてやる。俺等が生き延びなければいけない理由・・・。それは、
     お前等を、あの手袋から助け出す為だ」
ポポ「・・・・・・・!」
ドンキー「・・・・・・・・」
マルス「なん、だって・・・・?」


突如としてファルコの口から出た言葉にマルス達は驚きを隠せない。
いや、それだけではなく、『生き延びた者達』もだ。
数秒の間を置いた後、我に返ったマルスが咄嗟に言い返す。


マルス「どういうことだ?!あのお方から僕達を救い出すだと!?バカげている!!」
ファルコ「・・・お前等と戦っている時、思ったんだ。お前等は偽者などではなく、紛れもない本物だ。
     そんなお前等がここまで豹変し、俺達に襲い掛かってきたという事は・・・お前等はあの手袋に『操られている』。
     そうだろう?マルス・・・ネス!」
マルス「な、何をッ・・・・!?」
ネス「待って、マルス。・・・・・・百歩譲って、僕達があのお方に操られているとしよう。
   矛盾してないかなぁ・・・・何で僕達を救い出そうとしているのに、僕達の仲間を殺したんだッ!!?」


ファルコの言葉に再度動揺するマルス。しかしネスは全く動揺せずに冷静かつ、最後には怒鳴り散らす形でファルコに迫る。
しかし、ファルコはネスの抗議を聞きながら、静かに強い眼差しで二人を睨みながら・・・少しの間を空けて、口を開いた。


ファルコ「俺等とお前等は、あの手袋に襲撃された時、既に全員が瀕死の重傷を負っていた。
     何度も死線を潜り抜けてきた俺には一目で分かったな、全員、放って置けば・・・数分たたずに死んじまう程の傷だ・・・」
ネス「・・・・・・・」
ファルコ「俺等は途中、逃げ出した俺等が逃げる途中に通ったアイテムの保管庫から、
     クッパとドンキーが取れるだけ取った回復アイテムを使って一命を取り留めたが・・・・・・。
     いくつもアイテムを使って回復した俺等に対して、お前等は傷一つ負ってない状態で俺等に戦いを挑んできた。
     ・・・・と言う事は、奴にはお前等を洗脳する力と、傷を回復させる力を持っていると言う事になる。
     いくらなんでも、競技場にあるハートの器とかを全部使ってもお前等全員の傷は癒しきれないだろうからな。
     だが、そこで生じる問題がある。メンバーの傷を癒せば、そこで回復したメンバーに反撃されてしまう。
     そこまで奴はバカじゃないだろう、だから奴は先にメンバーを全員洗脳してから、傷を癒さなければならない・・・」


そこで一呼吸おいて、ファルコが再び続けた。いつのまにか、全員がファルコの話に聞き入っていた。


ファルコ「・・・数分立たずに死んじまう程の傷だ、メンバーを洗脳する途中に誰かが死んじまう可能性だってあったわけだ」
ナナ「・・・・・ッ!」
ファルコ「俺等スマッシュブラザーズには居ないが・・・それぞれの住む世界によっては、数こそ少ないが、
     一度死んだ生き物を蘇らせる力を持つ者が居るって聞いた事がある・・・・・。今、居るかどうかは分からねえが。
     あんなに強力な力を持つ、しかも巨大な手袋っつー意味の分からねえ奴だ、例え凄ぇ蘇生術を身につけていたって、
     俺等の世界観からすれば何もおかしい事はない」


表情を変えずに、ファルコはそう言い切った。
唖然とする一行。マルスとネス。またしても、数秒間の静寂が訪れる。
突然、不意に拍手が起こった。それは、紛れもなくマルスとネスがしたものだった。


ネス「ふふふッ・・・まさか、まさかね。ここまで見破られるなんて、思いもしなかった」
マルス「君の推測はほとんど、正しい。確かにあのお方は全知全能であるが故、強力な蘇生術を操る事が出来る」
ポポ「じゃあ、やっぱり君達はッ・・・・!?」
マルス「いや?僕達は操られてなんかいないよ。これが唯一の間違いだ。
    僕達はあのお方に忠誠を誓っている。確かにあのお方がいきなり襲い掛かってきた時は驚いたけれど。
    今はもう、あのお方の忠実な僕・・・何度も言うけど、決して僕達は操られてはいないッ!」


あくまでそうマルス達は言い張るつもりのようだ。
しかし、この事実が発覚したおかげで、彼等にも希望の光が見えてきた。
もし、あの手袋を捕らえ、死んでいったメンバー達を生き返らせれる事ができれば・・・!


ネス「君達の考えてる事は分かるよ。あのお方を捕まえて死んだメンバーを蘇生させようだなんて、無茶な。
   万が一蘇生できたとしても、みんな、きっとあのお方の味方について、君たちを殺そうとすると思うよ」
クッパ「ならば、他の者達にかけた洗脳も解かせれば良い話なのだ」
ルイージ「そ、そうさ!それで、一件落着だよ!」
ピチュー「良かったぁ・・・兄ちゃんも・・・みんなにも・・・・あいつを、倒して、捕まえれば・・・また、会えるんだ・・・・!」


いつの間にやら目が覚めたようで、クッパ達が口々に言う。
それにマルスが舌打ちし、持っていた剣を鞘に収め、ネスに目配せしながら口を開く。


マルス「だから僕達は洗脳なんかされていない。何回言えば分かるんだ?」
ファルコ「絶対そうだ。でなけりゃ、お前等がここまで変わるはずはねえ」
マルス「へえ、そうかい。君達は僕達の言うことが信じられない、と。それならばもういいよ。
    さっさと決着を付けようじゃないか・・・・そろそろ、形成を逆転させないと・・・ね!!」
ドンキー「なッ!?」


マルスが叫んだ瞬間、彼は一行に背を向けて部屋の出口へ駆け出した。
ネスもすぐに彼の後を追う。彼等が向かう出口は、この部屋へ一行が入ってきた扉とは違う、もう一つの扉だ。


ポポ「ま、待てえっ!」
ナナ「ポポ、無理しないでねッ!?さっきだって、怪我してるのに戦うって言って・・・」
ポポ「僕は大丈夫だよ、ナナ!だから、早く追わないと・・・!」
クッパ「その通りなのだぁ!!待つのだ貴様等ぁああーーーっ!!」


全員が手負いの状態の為、若干距離を取られてはいたが、各自、全力で逃走した二人を追っていった。
その時、小さくとも希望を持つ事が出来たためか、ほんの少しだけ、彼等の目には光が宿っていた。


  




続く







音楽提供:♪般若's MIDIの里♪










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