怒り、悲しみ、哀れみ、恨み、憎しみ、喜び。


  感情とは、様々な物がある。


  どうしてだろう?


  自分は生き返った。


  いや、生き返された。


  それからだろうか?自分の心に変化がおきているのは。


  様々な感情──怒り、憎しみ、悲しみ。


  様々な感情が、めまぐるしく私の心を巡る。


  その度 自分の言動や考えたことが


  自分自身でも理解できなくなる。


  それは 


  様々な感情──恨み、哀れみ、喜び。


  これらの感情が私の心を支配しているから・・・?


  全く 意味が分からない・・・・・


  考えようとすると また別の感情が邪魔をする。


  私は・・・何を・・・しているんだ・・・・?








  第十話 殺戮者達









ルイージ「新しい命?新しい人生?新しい世界・・・・・・・・・?」
ピチュー「な・・・・なんの、こと?」
ネス「さあね・・・・?君達には、教えないよ。
   例え今から死んでゆく運命だとしてもね・・・冥土の土産には、高すぎる!!」


嘲笑いながらも叫ぶネスの傍らに居た二人が武器を構えるのが見えた、
対して生き延びた者達・・・もとい、元スマッシュブラザーズがそれぞれ臨戦態勢に。


ルイージ「どうして、皆、僕達を狙うんだよ・・・っ!?」
カービィ「んん?今更何言ってるの?君達だって僕達の仲間を殺したんだろ?   
     考えてもみなよ・・・?一番犠牲者を出しているのは他ならぬ君達なんだからね?
     僕達が君達を襲う理由なんて、それだけでじゅうぶんさ」


構えながら今まで何度も問いかけてきた言葉をルイージが口にするが、
カービィの刺々しい口調から発せられた冷酷な言葉にルイージが押し黙ってしまう。


ネス「それにさ」


カービィの発言に続いてバットを向けたままのネスが一歩前に出る。


ネス「君等は僕達を殺していく・・・それも、沢山。
   なのに・・・なのにさ?君達の中に、犠牲者は一人も居ないじゃないか・・?」
ルイージ「・・・・・ッ」
マルス「所詮、自分達の命が惜しいからって
    僕達の仲間を容赦情け無しに殺していったんだろう・・・?」
ピチュー「そ、そんな事ッ・・・」


ピチューが言い返そうとするが、ネスの鋭い目線に射すくめられる。
邪魔が入る事はなく、マルスが続ける。


マルス「よく正義を気取った奴は、悪を打ち倒すとか言うけどさ・・・
    ・・・君達は、一番の悪っていうのを考えたことがあるかい?  
    一番の悪って言うのはね・・・正義という言葉を盾に取って、悪を次々と殺していく主人公なんだ。
    ・・・少なくとも僕達三人はそう考えている。この世界には・・・もともと、悪も正義も何もないんだ!
    なのに正義だとかそんなつまらない言葉を胸に刻み続ける命・・・。彼等こそが、もっとも愚かで!
    自分達の存在意義の為に自分達で作り出した悪と呼ばれるものの象徴ッ!
    そしてぇっ!・・・君達が、その代表的な存在なんだよ・・・ッ!!」


マルスが険悪な表情で一気に喋る。その言葉こそ、彼等が恐れていたものかもしれない。
直接的にでなくとも、今まで戦ってきたメンバー達を死に追い詰めたのは彼等だ。
いや、つい先程戦っていたリンクはクッパ達がとどめを刺している。・・・もはや、反論の余地さえなかった。
しかし、それと同時に一つの疑問が彼等の脳裏をよぎる。


ポポ「・・・じゃあさ、何で、最初ロイとフォックスは僕達に襲い掛かってきたの?
   僕達は・・・それで、仕方なく・・・」
ネス「・・・仕方なく?冗談もいい所だ。僕達は今の様に君達が正義を気取って、
   目に映るもの全てを架空の存在、悪に当てはめ、殺戮を繰り返す悪の化身となるのを防ぐ為に──。
   君達、危険分子を消す様に言われていたのさ。あのお方にね!
   ・・・でも、今の君達は、僕等の努力も空しく、殺戮を繰り返してしまった身だ・・・」
カービィ「だから さ。覚悟は・・・・いい、よね?」
ポポ「ッ・・・・・!」


ポポの言葉をネスが受け流す。そして、カービィのその言葉を合図として、拳を作る手に、武器を握る手に力を込められる。
彼等にも、話し合いと言う選択は通用する事は無かった。ならば、彼等に殺されない様、全力で戦うまで・・・!


マルス「僕達は勝つ。君達なんかには、絶対に負けない・・・!」


マルスが口走りながら剣を斜めに構え走り出す。
身体の丈より大きなハンマーを片手で持つカービィがマルスに続く。
ネスだけはその場に残り、バットを片手に、もう片方の腕の人差し指を一行へ向けて何かを呟いた。


ネス「・・・PKサンダー!」
ドンキー「くっ・・・!?」
マルス「──そこだっ!」


ネスの指先から放出されたPSI、PKサンダーは駆けるマルス達より速く一行へと向かい、
ドンキーが慌てて腕をふるって電撃を弾くが、そこに隙を見出し、マルスが素早くドンキーを斬りつける!


ドンキー「ぐあああああぁっ!!」
ナナ「ドンキー!?」
カービィ「隙あり〜♪」
ポポ「させないッ!」


肉を切り裂かれたドンキーの悲鳴が木霊する。更にほとばしった真っ赤な液体に驚いたナナにカービィが殴りかかったが、
脇から飛び出たポポが振るわれたハンマーを、同じく武器であるハンマーで受け止める。
直後、カービィが押し付けたままだったハンマーから手を離し、身体の小ささを利用してとび蹴りを繰り出しながらポポの懐へ潜り込んだ。
蹴りはポポの腹部に命中、武器を取り落としたポポが勢い良く後方へ倒れこむ。
ナナの絹を裂くような悲鳴が上がると共に、マルスが傷を負って動けないドンキーに再び剣を振るう。


ピチュー「えぇいっ!」
マルス「ぐっ!?」
カービィ「うわぁぁ!?」


剣がドンキーを更に斬りつけようとした寸前にピチューがマルスに脇からロケットずつきを喰らわせる。
吹っ飛んだマルスはポポに次いでナナに攻撃しようとしていたカービィに激突し、揃ってその場に横倒しとなった。


ネス「はああああぁぁ!!」
ピチュー「───っ!?」


そこへ飛び込んできたネスがバットの先端で思い切りピチューを突き飛ばす。
予測し得なかった攻撃を受け、ピチューはなす術なく吹っ飛ばされる。
ピチューを突き飛ばしたネスに、隙を窺っていたファルコが素早く蹴りかかる。
しかしネスはひらりとそれを回避し、バットを振るってファルコを殴り飛ばした。
更にネスは背後から飛び掛ってきたポポをPSIで軽く持ち上げると、勢い良く付近の機械の残骸に叩きつける。
この攻防の間にもマルスとカービィは起き上がり、それぞれクッパとルイージへと攻撃を仕掛けていった。


マルス「偽善者は・・・消えろっ!」
カービィ「とおぉぅっ!!」
クッパ「くっ・・・ガァァアアァ!!」
ルイージ「そ、そりゃぁぁあああ!!」


マルスが剣を構えてクッパに突進し、カービィは今度は大きな刃・・・カッターを取り出し、ルイージに襲い掛かる。
対してクッパは両腕の鋭い爪をマルスに振り下ろし、ルイージは襲い掛かってきたカービィに両腕を振り回しながら突っ込んでゆく。


マルス「マーベラスコンビネーション!!」
カービィ「ファイナルカッターァァアア!!」


マルスの繰り出した四連続の斬撃がクッパの攻撃を弾き、そのままクッパの腹部に二つの切り傷をつくる。
カービィが高く飛び上がり、一気に降下しながらカッターをルイージの脳天に振り下ろすが、
ルイージは勢いに任せて腕を振り回しながらカービィの真下を通り抜けていった。


クッパ「グッ・・・ゥ、ガァァアアアアアアッ!」
マルス「お互い、致命傷は与えられなかったみたいだね・・・」
カービィ「うん、残念」


通り過ぎていったルイージには関心を示さずに二人が会話を交わしながら、
クッパの吐き出した灼熱の炎を両脇へ跳んで回避。
やっと立ち止まったルイージは方向転換し、クッパの方を向いていて隙だらけの二人の元へ駆け出してゆく。
しかし、ルイージの作戦はかなわなかった。目の前に、人差し指をこちらに向けた状態のネスが回りこんできたのだ。


ネス「PKファイヤーっ!」
ルイージ「うわああぁぁぁぁッ!!?」


ネスの指先から放たれた閃光がルイージの足元を貫いた瞬間、そこから勢い良く火柱が上がった。
ルイージが火柱に飲まれ、悲鳴を上げながらその場を転がる。
その様を見て、にやけながらネスは目線を別の場所へと向けた。
振り下ろされたハンマーはネスを打ち砕く事なく、床に直撃していた。
ナナは悔しそうに歯噛みしながらPSIで空中に浮かぶネスを睨みつける。


ネス「ごめんごめん。あまりにも遅いからついあっち側の援護に回っちゃってたよ」
ナナ「ブリザードっ!!」


ネスの挑発に乗ったナナが空中へブリザードを放つ。しかし、くるりとネスが空中で一回転してみせると、
吹雪が彼を吹き飛ばす事なくネスはナナの目の前に着地していた。


ネス「PKぇ・・・ハンドスタンプっ!」
ナナ「きゃぁぁあああああッ!?」


直後、ネスが両手を突き出してPSIの波動を放ちながらナナに突進する。
念動波に吹っ飛ばされたナナは悲鳴を上げながら壁に激突、そして床にずり落ち、気を失った。
満足げな笑みを浮かべてネスがマルス達の加勢へと向かう・・・。
辺りには、彼との戦いに敗れ、気絶したメンバー達が転がっていた。


カービィ「ストーンッと落ちますよ〜ん!」
クッパ「ぬおおぉぉっ!?」
マルス「シールドブレイカーっ!!」
クッパ「ぐぉぁぁあああああああああッ!!!」


無数に突起を生やした鉄球に変身したカービィがクッパ目掛けて空中から降って来る。
慌てて身を引いてカービィの攻撃を回避したクッパだったが、次の瞬間背後から繰り出されたマルスの一撃を避け切る事はできなかった。
倒れたクッパの脇に歩み寄ってきたネスが、軽くクッパの頭を蹴り飛ばしながら口を開く。


ネス「僕が加勢するまでもなかったかな?」
カービィ「そうみたい。案外あっけなかったね」
マルス「僕達の言葉に動揺して、チームワークがうまく成り立たなかったんだろうね。
    真実から逃げ続けている者は、いずれああなる運命なのさぁぁ・・・あはははっ!」
ドンキー「な・・・んだと・・・・・?」
ネス「!・・・しぶとい奴が残ってたみたいだね」


嘲笑う三人の言葉を聞いたドンキーが、痛みと怒りに震えながらも立ち上がった。
マルスに斬りつけられたあの後、ネスの猛攻によってファルコやルイージたち同様に気を失ってしまっていたのだ。
未だ血が滴り落ちる傷口を左手で押さえながら、ドンキーが右手で固く拳を作る。


カービィ「一度気絶させて、後から自分達の愚かさを思い知らせてやりながら、じっくりとなぶり殺す予定だったんだけどねぇ」
マルス「そうはうまくいかないものだね、やっぱり」
ネス「僕のミスだよ、ごめんね二人とも」
ドンキー「うおおらあああああぁぁぁッ!!!」
マルス「・・・だけど、これで最後だよ」


ドンキーの事などまるで気にしてないかのように会話し始める三人へ咆哮と共にドンキーが殴りかかってゆく。
やれやれ、と首を振りながらマルスがドンキーの豪腕から繰り出された一撃を剣で受け流す。
攻撃を流され、勢い付いてよろめいたドンキーに逆にマルスが鋭い一撃を喰らわせた。
×字に切り込まれたドンキーの腹の傷から吹き出した鮮血がマルスの綺麗な青い髪を赤く染める。


マルス「君達はここで全てを終える。僕達の手によってね」


剣に付着した血を振り払いながら言い放つマルスの整った顔立ちは血に塗れ、見開かれた眼からは狂気が窺えた。






続く






音楽提供:♪般若's MIDIの里♪










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